動画制作・撮影編【シャッタースピード】1/100 or 1/50秒の理由とは?

シャッタースピード

ミスの許されない撮影現場でなぜプロのカメラマンは失敗しないのか?あなたが知っておくべき7つのチェックポイント。それは

『シロ・シ・ア・ゲ・ブレ・ピン ND』

です。

今日は2番目の『シ』=シャッタースピードについてのお話しです。

今回の内容を動画でわかりやすく解説しています。こちらも合わせてご高覧ください。

目次

動画のシャッタースピードって?

あなたもシャッタースピードという言葉は、聞いたことがありますよね?何分の一秒でシャッターを切れるか?というスピードの単位です。

シャッタースピードはシャッターを開いている時間

静止画のカメラをお持ちの方なら、誰でも知っているあの『シャッタースピード』。

動画のカメラにも同様にシャッタースピードの設定があります。

シャッタースピードとは、一コマを撮影するのに、どのくらいの間、シャッターを開いているか?という時間の長さです。

画面の明るさにも関係がある

たとえば1/60秒というシャッタースピードに設定したとしましょう。

その場合、1/60秒の間だけ、シャッターが開いている状態です。このことを別の言い方にすると『一コマを1/60秒分の光を集めて作っている』ということになります。

つまり、シャッタースピードを遅くして、シャッターを開いている状態を長くすればするほど、画面は明るくなる、ということです。

速いシャッタースピードでは、画面が暗くなる

逆にシャッタースピードを1/250秒に設定した場合はどうなるでしょう。

1/250秒分の光しか集まらない、ということなので、その場合、画面は暗くなる。ということです。

では、これを踏まえて、動画撮影をするときのシャッタースピードは、どのように設定するものなのか?についてお話ししましょう。

シャッタースピード設定=フリッカー対策

動画の撮影をする場合、シャッタースピードは、1/50秒、もしくは1/100秒に設定します。

フリッカー現象とは?

その理由は、『フリッカー』と呼ばれる現象を防止するためです。

わかりやすく、図を使ってご説明しましょう。
私たちの周りには、電力を使って光を発生させているものがたくさんあります。東日本なら50ヘルツ、西日本なら60ヘルツの交流電源です。交流電源とは、プラスとマイナスの電極を交互に繰り返している電源です。

例えば、蛍光灯やテレビは、じつは私たちには分からない速度で、点滅を繰り返しています。下の図をみてください。

交流電流と同期させる

上の表で上下に動いている白い線が交流電力です。これに対して赤い縦線が、シャッターを切るタイミングです。

日本で供給されている電力は交流と呼ばれるもので、電極のプラスとマイナスを一定の周期で繰り返しています。一秒間に50回繰り返すと50ヘルツ。60回なら60ヘルツです。

シャッターを切ったタイミングが、一コマ一コマ違うことに気付かれるでしょう?この場合だと、各コマで明るさがバラバラになってしまいます。なので、それを映像で見たとき、画面が明るかったり、暗かったりを繰り返します。チカチカ点滅している状態です。いわゆる『ちらついて』見える映像になります。

これが『フリッカー』現象です。

動画のシャッタースピードを決める要因

動画撮影のシャッタースピード決める一番の要因は、このフリッカー現象を防止することにあります。

これを防ぐために、シャッタースピードを1/50秒、もしくは1/100秒に設定する必要があるのです。

下の図のように、シャッタースピードをヘルツ数の倍数に合わせます。そうすると各コマの明るさが一定になるので『ちらつき』のない映像を撮影することができます。

西日本と東日本で設定が違う

1/50、1/100秒のシャッタースピードは、東日本の話です。

西日本の場合

ちなみに、西日本の電源周波数は60ヘルツ。なので、西日本で撮影する場合は、シャッタースピードを1/60秒、もしくは1/120秒にする。ということになります。

静止画を撮っているカメラマンさんからすると、1/50秒or1/100秒というシャッタースピードは、きっととてつもなく遅いシャッタースピードに聞こえますよね。シャッターを押す反動で画面がブレてしまうことを『手ブレ』と言いますが、まさに『手ブレ』してしまいそうです。

でも、動いている被写体を撮る場合は、ちょっと事情が違うのです。確かに「ちょっとブレている」映像にはなりますが、とんでもなく動きの激しいものを撮影する場合以外は、普通に歩いたり、会話をしているシーンを映す分には、このシャッタースピードで十分です。

なぜ、50ヘルツの地域と60ヘルツの地域があるの?

同じ国内で電力の周波数が違う地域があるのは、実は、世界でも珍しい事例です。

なんでこうなったのか?というと日本で発電を始めた明治時代にさかのぼります。東日本にあった電力会社が、発電機をドイツから仕入れました。ドイツの発電機は50ヘルツ。これに対して西日本にあった電力会社は、当時アメリカから発電機を仕入れたのですが、これが60ヘルツの発電機だったのです。東西の電力会社が統一せずに、それぞれ発電機を仕入れたことが原因で、地域によって電源周波数が違うという現状になっています。

これまでにも統一が検討されたことも何度かありましたが、そのたびに立ち消えになったままで、今日を迎えることになりました。ちなみにその弊害は、平成23年(2011)の東日本大震災による電力不足の際もあって、その際には東西で互いに電気を融通することができなかったという事例もありました。

50ヘルツと60ヘルツの境目はどこ?

ちなみに周波数の東西境界線はどこにあるのか?というと、新潟県の糸魚川と静岡県を流れる富士川を結ぶところになります。富士川から東が50ヘルツで、西側が60ヘルツです。

現在、日本国内では家電製品は東西両方の周波数が使用可能なものが多くなっています。

「50/60Hz共用」であるとか「サイクルフリー」・「ヘルツフリー」と表記されていれば大丈夫。北海道から九州に引っ越してもそのまま使えるので、生活に困ることはありません。

シャッタースピードの設定

最後に設定の仕方と注意点です。

シャッタースピードの調整は、ここでおこないます。
写真は、ソニー業務用ビデオカメラ「HXR-NX3」です。

シャッタースピードに関しては、最初に設定してしまえば、撮影終了まで動かすことはありませんので、最初に設定してしまえば、ほかに注意を向けることができます。

そして、動画撮影時に、もっとも注意するべきポイントは、次に説明するア=アイリスです。忘れずに設定しましょう。

今回も最後まで読んでいただき、ありがとうございました!

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