展示会で動画を使ったブース展示が一般的になりました。
来場者にとって、ブースの前を通る時間は、ほんの2〜3秒程度。その短い時間でいかに足を止めてもらうか?は、重要なマーケティングポイントです。
せっかく、高い出展料金を払ったのに、全然名刺が集まらなかった…ということがないように、動画を使った展示で、ブースを訪れてくれる見込み客を一人でも増やしたいですよね?
そこで、今回の記事では、展示会の動画制作についてお伝えします。
展示会動画にはどんな種類があるのか?

展示会の動画制作には、主に3つ種類があります。
1番のオススメは、入口モニターのデジタルサイネージで、関心を惹き、商談用にパソコンで詳しくデモ動画を見せるといった流れです。
(1)ティーザー
(2)商品・サービス紹介動画
(3)会社紹介
それでは、ひとつずつ見ていきましょう。
(1)ティーザー
ティーザーとは、本番前の仮の動画のことを指します。本予告前の予告動画だったりもします。
要は、本格的に発表する前に、事前予告として関心を喚起することが目的で作られる動画ですが、展示会では、通路側のモニターで使って、来場者の興味関心を惹き、足を止めさせて、ブースに入ってもらうために使います。
ティーザー動画では簡単な説明だけにとどめて、その後の商談の際には、商品・サービス紹介の動画を見せるという流れが、展示会用動画の使い方として、オススメです。
(2)商品・サービス紹介動画
大きな商品を扱っている場合や、データなどの無形商品の場合、現物を展示できない場合があります。
その際に、イメージをしてもらうために大きく貢献するのが、展示会用動画です。
そのまま、ブースの入り口で使っても構いませんが、入り口モニターで流すものは、ティーザーとして作って、そのほかに商談用のデモ動画があると理想的です。
先に、商品・サービス紹介動画を作って、そこからティーザー動画に転用すれば、動画制作費を安くすることも可能です。
(3)会社紹介
上場企業や、すでにブランディングがうまくいって、知名度のある企業なら問題なく、ブースに足を止めてもらうことも容易でしょう。
が、ベンチャー企業など、小さなブースで展示をしている会社にとっては、そうではありません。少しでも自分達を認知してもらうことが、何より大切。展示会は、知ってもらう格好のPRチャンスの場でもあります。
会社のイメージを高めて、かつ身近に感じてもらえるような、会社の様子や人と、インパクトのあるアニメーションを加えた動画が効果的です。
展示会動画制作のメリット

展示会用の動画を制作するメリットには、下記の3つがあります。
❶デジタルサイネージで集客効果は約3倍
❷商談がスムーズになる
❸短時間で伝わる情報量
❶デジタルサイネージで集客効果は約3倍
展示会で来場者が自分のブースの前にいるのは、よほど大きなブースでない限り、わずか2〜3秒。その上、出店企業は100社以上あるので、興味がなければ、あっという間に見込み客は通り過ぎてしまいます。
そこで、少しでも足を止めてもらうための仕掛けとして、動画でアピールするために、ブースの通路入り口に、大きなディスプレイを用意して、動画を繰り返し上映します。
視覚的にインパクトのある動画でなら、足を止めてもらう可能性は、動画がない場合に比べて、3.1倍集客効果が高まると言われています。
❷商談がスムーズになる
ブースの前で動画を見て、立ち寄ってくれた来場者は、すでにある程度の情報を受け取ってくれており、興味関心を持ってくれているホットリードです。
この時点で、すでに冷やかしではないので、商談までにつながる確立は、グーンと上がります。
ちなみに、写真と文字だけのパネルの場合と比べて、動画は約5倍の商談率と言われています。
❸短時間で伝わる情報量

1分間の動画がもたらす情報量は、180万語。
WEBページに換算すると『3600ページ分』です。人間が1分間に読める文字は、平均で240文字ですから、圧倒的な情報量です。
動画は目から入る「視覚情報」と「聴覚情報」で、文字と写真だけでは伝えきれない情報を、一度に伝えることのできる媒体です。
展示会動画制作の7つの注意点

ここでは、展示会用動画を制作する際の注意点を7つお伝えします。
①感情を動かす心理トリガーを使う
②テロップでわかりやすく
③適度な尺でリピートさせる
④展示会後にも活用できるようにしておくと便利
⑤モニターの大きさと解像度に注意
⑥HERO動画としての派手な演出
⑦ブースとのイメージを統一(トーン&マナー)
ひとつずつ見ていきましょう。
①感情を動かす心理トリガーを使う
感情を動かす心理トリガーが含ませることで、さらに結果を出しやすくできます。
1. 物 語 :ストーリーで、感情を動かしやすく
2. 天国と地獄:痛みと快楽で感情を揺さぶる
3. 権 威 :社会的地位の高さと受賞歴
4. 限定性 :3日間限定、先着10名様など
5. 希少性 :10食限定、20年に一度など
6. 理 由 :なぜ美味しいか?今申し込む理由?
7. 誠実さ :「安さの理由は一箇所傷があるから」と正直に話し、信頼性を獲得
通路脇の大型モニターでのインパクトある動画を使い、商談用のパソコンモニターで流す動画では、21の心理トリガーを意識した動画を制作しましょう。
来場者との商談を成約させる可能性が高まります。
②テロップでわかりやすく
展示会の動画は、ブース入り口のモニターで公開されます。
その際、周りの音もあって、ほとんど音は聞こえません。また、お客さんは歩いているので、その人を止まらせるだけのパワーを音に期待するのは難しい状況です。ちょうど、電車のドア上の映像と同じです。
その状況では、映像とテロップだけで、分かりやすく理解してもらう必要があります。テロップに加えて、アニメーションも駆使して、分かりやすく、完結に商品のベネフィットを伝えることが大切です。
テロップは太すぎる文字だと、潰れて見づらいし、細すぎると目立たない。
なので、適度な大きさと太さを考えて作るようにしましょう。
また、1秒間に読める文字量は最大でも8文字。表示時間と文字数にも注意が必要です。
③適度な尺でリピートさせる
長い動画は、よほどのことがない限り、立ち止まって見続けてもらうのは難しいです。
そこで、10〜20秒程度の動画尺で、リピートさせるのが効果的です。
途中から動画を視聴した人にも、すぐに繰り返し見てもらい、理解を深めてもらうことができる長さだから、です。
④展示会後にも活用できるようにしておくと便利
展示会用の動画は、それだけで使うのではなく、その後、YouTubeなどのSNSや、オウンドメディアで2次利用できるようにしておきましょう。
たとえば、後からナレーションを入れたりすると、追加料金がかかってしまいます。なので、可能であれば、ナレーション入りの商談用の動画を作っておくといいでしょう。
それを10〜20秒程度のブースの入り口で、ティーザー動画として使うやり方が、一番効率的で、コストパフォーマンスも良いです。
⑤モニターの大きさと解像度に注意
展示会ブースがそれほど大きくない場合は、受付でノートパソコンを使った映像でも構いません。が、デジタルサイネージとしての機能を持たせたいのであれば、ある程度の大きさが必要です。
小さなデータで、大きなモニターに映した時、解像度が不足して、映像が粗くなってしまうから、です。
なので、最低でもフルHDサイズ(1920 ×1080)のものを用意しましょう。
さらに大きなモニターが用意できるのであれば、さらに倍の4Kサイズ(3840 ×2160)でも構いませんが、データが大きすぎると、Wi-Fiなど通信を使った際に、転送がうまくいかない場合もあるので、注意が必要です。
⑥HERO動画としての派手な演出
展示会用の動画を作る1番の目的は、自社ブースで足を止めてもらうことです。
なので、動画は、目を惹く演出が必要。
エフェクトを使った演出や、CG、アニメーションをオープニングや要所で使うなど、部分的でも構わないので、インパクトのある表現を盛り込むようにしましょう。
⑦ブースとのイメージを統一(トーン&マナー)
展示会動画は、実際の展示ブースとのイメージ(トーン&マナー=トンマナ)を合わせましょう。
たとえばブースがシリアスなイメージで統一されているのに、動画はコメディーっぽいのでは、逆に不信感を募らせてしまう原因になります。
来場者に対して、ブースと動画の統一したイメージを持ってもらうことで、商談につながる可能性を高めましょう。
展示会動画の制作料金の目安は?

ここでは、展示会動画を動画制作会社に、外部発注した場合の予算感について調べて見ました。
仮に、動画の長さ(尺)を30秒、修正1回として算出してみました。
料金目安表
予算感 | 制作期間 | |
実写撮影+アニメーション(簡易的) | 30〜50万円 | 1ヶ月 |
写真素材のみで構成 | 10〜20万円 | 2週間 |
写真素材+アニメーション(簡易的) | 30〜80万円 | 1ヶ月 |
写真素材+アニメーション(動き複雑) | 80〜200万円 | 2〜3ヶ月 |
展示会動画制作の料金を安く作るポイント

次に、上記の制作料金の目安を踏まえて、展示会動画を制作する際の料金を安くするポイントについてお伝えします。
●動画の時間を短く
●撮影なしで写真素材を有効活用
●ナレーション不要という手も
動画の時間を短く
動画を時間尺を短くすれば、動画制作料金は安くなります。
その理由は、編集時間が短縮されるから、です。
動画制作をする上で、一番時間がかかるのが編集というフェーズです。仮に撮影素材をテロップやナレーション、BGMなどを入れない仮編集の場合でも、1分の動画を作るのに、1時間は必要です。
その上で、上記の演出以外にも手を加えると、5分の動画を作るにも1日では完結できません。
展示会では、エンドレスに繰り返し流すので、動画の時間尺は短くできれば、その分、制作料金は割安になります。
撮影なしで写真素材を有効活用
上記YouTubeの動画のように、すべて写真素材だけで動画を作ってしまうことで、動画制作費用を安くすることができます。
動画制作の中で、撮影費用は決して安い金額ではありません。一人で撮影するのであれば、まだしも照明やカメラアシスタントなどがいれば、尚更、料金は高くなります。
そこで、商品やサービスを写真素材だけで、動画を作るという手もあります。決してスライドショーではない動画を作ることができます。
ナレーション不要という手も
これはリアルの展示会場で使う動画に限られますが、ブースの前にモニターを置いて、動画を繰り返し流す場合がほとんどです。
リアルの展示会では、周囲の音にかき消されて、動画の音声は、なかなか届きづらい状況です。
もちろん、ナレーションがあった方が、目からの加えて、耳からの情報も発信できるし、より分かりやすくはなりますが、雑踏の中では、効果が上がりづらいので、思い切ってナレーションを無くすというのも手です。
リアルの展示会後や、オフラインの展示会などで利用する場合には、あらためてナレーションを加える、という手もあります。
展示会動画制作で参考にしたい事例3選

展示会で使う動画を制作する際に、参考にしたい事例を3つご紹介します。
真似することで、結果が出そうなら、どんどん真似てしまいましょう。
(1)商品・サービス紹介動画で真似したい動画…駒崎興業 様
(2)会社紹介で真似したい動画……………………クリタ分析センター株式会社 様
(3)ティーザーで真似したい動画…………………大平宏 税理士事務所 様
商品・サービス紹介動画で真似したい動画=駒崎興業 様
アニメーションで製品を使う背景をわかりやすく視覚化
テロップの全フォロー。映像+音+文字で内容理解を促進
実際に使っている実写映像で製品の使い勝手アピール
会社紹介で真似したい動画=クリタ分析センター株式会社 様
オープニングで扱うサービスを端的に表現。
テロップの全フォロー。映像+音+文字で内容理解を促進
端的にわかりやすく、職場環境や企業の社会的役割をご紹介
ティーザーで真似したい動画=大平宏 税理士事務所 様
アニメーションで敷居の高いサービスを身近に表現
エフェクトを効果的に使って動きのある映像を演出
写真素材だけを使った15秒動画で低予算での制作を実現
展示会の動画制作・まとめ

展示会での動画制作について、お伝えしました。まとめると
(1)ティーザー
(2)商品・サービス紹介動画
(3)会社紹介
❶デジタルサイネージで集客効果は約3倍
❷商談がスムーズになる
❸短時間で伝わる情報量
①感情を動かす心理トリガーを使う
②テロップでわかりやすく
③適度な尺でリピートさせる
④展示会後にも活用できるようにしておくと便利
⑤モニターの大きさと解像度に注意
⑥HERO動画としての派手な演出
⑦ブースとのイメージを統一(トーン&マナー)
予算感 | 制作期間 | |
実写撮影+アニメーション(簡易的) | 30〜50万円 | 1ヶ月 |
写真素材のみで構成 | 10〜20万円 | 2週間 |
写真素材+アニメーション(簡易的) | 30〜80万円 | 1ヶ月 |
写真素材+アニメーション(動き複雑) | 80〜200万円 | 2〜3ヶ月 |
●動画の時間を短く
●撮影なしで写真素材を有効活用
●ナレーション不要という手も
(1)商品・サービス紹介動画で真似したい動画…駒崎興業 様
(2)会社紹介で真似したい動画……………………クリタ分析センター株式会社 様
(3)ティーザーで真似したい動画…………………大平宏 税理士事務所 様
でした。
今回も最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
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