動画制作・撮影編【ブレ・ピン】手振れ補正とピント調整の注意点は?

手振れ補正・ピント調整

ミスの許されない撮影現場でなぜプロのカメラマンは失敗しないのか?あなたが知っておくべき7つのチェックポイント。それは

『シロ・シ・ア・ゲ・ブレ・ピン ND』

です。

今日は4番目と五番目の『ブレ・ピン』=手振れ補正とピント調整(フォーカス)についてです。

フォーカスに関する2つの注意点

手ブレ補正の注意点(三脚使用時と手持ち時の違い)
AUTOフォーカス時の注意点

いつもは一つずつ説明しているのですが、今日は2つまとめてお話しをします。

なぜなら、2つともフォーカスに関することだからです。決して、面倒くさいからではありません。(笑)では早速、本題に入ります。

目次

手ブレ補正の注意点(三脚使用時と手持ち時の違い)

手ブレした映像は、たとえ静止画であっても、決して気持ちが良いものではありません。

これが動画になったら、大変です。見せる方はまだいいかもしれませんが、見せられる方は、ただの苦行です。

以前は、そういう動画も世の中にたくさんありました。でも今は、カメラに手ブレ補正機能が付いているから安心です。カメラマンの腕の未熟さを、機械のほうがサポートしてくれます。手ブレ補正は、動画撮影の強い味方ですね。

手ぶれ補正を使用する時の注意点

ただし、そんな便利な手ブレ補正機能にも、使用時には、思い出して欲しい注意点があります。

どんな時でもフォーカスをAUTOで撮影するのは、NGなのです。せっかくの晴れ舞台で、撮影失敗しないように、手ブレ補正機能を使う時の注意点をお話しします。

フォーカスをAUTOで撮影するのはNG

便利な手ブレ補正機能ですが、三脚を使用する際には、オフにするのが基本です。その理由は二つあります。

(1)三脚使用時は手ブレ補正をオフに

まず、ひとつは三脚があれば、しっかりと固定された状態で撮影できるので、基本、手ブレはおきないから。です。

当たり前ですね。

そしてもうひとつの理由が肝心なところです。それは「パン(注)した時に映像がついてこなくなるから」です。詳しくご説明しましょう。

手ブレ補正には3つの方式があります。

①電子的手ブレ補正
②光学式(シフト方式)手ブレ補正
③光学的(バリアングル・プリズム(V.A.P)方式)手ブレ補正

です。

ここでは、ページの都合で、詳細は語りませんが、どの方式も基本的には、被写体を枠の真ん中に入れるように機械がサポートしてくれています。

ところが、意図的に左右にパンした場合でも、カメラ側がそれを「手ブレ」と認識してしまうという状態が発生します。

そうするとどうなるか?

手ブレ補正機能が、被写体をフレームのなかにとどめようと努力するので、結果的に、左右に振った時、映像が遅れてしまい、意図した映像が撮れなくなってしまうのです。

ですので、三脚使用時には『手ブレ補正機能をオフ』で撮影するのが基本だと覚えましょう。

三脚使用時には『手ブレ補正機能をオフ』

(2)手持ち撮影では手ブレ補正をON

逆に手持ち撮影では、手ブレ補正機能をONにします。

手持ち撮影では、手ブレ補正機能をON

もちろん、意図的なパンを使ってしまうと、映像が遅れて、意図した撮影ができないのは同じです。なので、その点には注意しながらの撮影になります。基本的に手ブレ補正は、とっても優秀な機能なので、強い味方として、頼れるところは頼ってしまいましょう。

注:「パン」とは、映像撮影における基本のカメラワークのひとつです。カメラを左右に振って撮影する技術です。少しだけ正確にいうと、左から右に振るのが「パン」で、右から左に振るのを「逆パン」と言います。広い風景を表現したい時や、横長の被写体を見せたい時、水平移動する被写体を追う時など、パンを使います。

カメラワークの豆知識

動画撮影におけるカメラワークには、基本となる4つがあります。それは

<1>固定撮影(フィクス)
<2>カメラを振る(パン、ティルト)
<3>カメラレンズの動き(ズーム・イン/アウト、フォーカス・イン/アウト)
<4>移動撮影(トラック、ドリー・イン/アウト)

一つずつご説明します。

<1>固定撮影(フィクス)とは?

<1>固定撮影(フィクス)=カメラを固定してずっと動かさずに使う技法

<2>カメラを振る(パン、ティルト)とは?

<2>カメラを振る(パン、ティルト)=カメラを左右に振るのを「パン」、カメラを縦に振るのを「ティルト」

<3>カメラレンズの動きとは?

<3>カメラレンズの動き(ズーム・イン/アウト、フォーカス・イン/アウト)

=広角の状態から望遠を「ズームイン」、その逆を「ズームアウト」
=ピントの合う点を変えるレンズ操作が、「フォーカスイン/アウト」

<4>移動撮影とは?

<4>移動撮影(トラック、ドリー・イン/アウト)

=専用機材を使って、カメラ自体を横に移動させて撮影する技法を「トラック」
=カメラ自体を被写体に近づけたり、遠ざけたりする撮影を「ドリー・イン/アウト」

の4つです。

これらは、撮影技術の注意点として、実際の例を交えて、別の機会に詳しくお話ししたいと思います。

AUTOフォーカス時の注意点

続いて、フォーカスについてお話ししましょう。

基本的にはフォーカスはAUTOにして撮影します。が、この時、いくつか注意点があります。出来上がった動画を見て、「あれ?想像と違う」ということにならないようにしましょう。

(1)背景にピントが合いやすい「奥ピン」に注意

オートフォーカス使用時は、焦点を合わせたい人物よりも、背後にフェンスなど、鮮明な線があると、そちらにピントが合ってしまう傾向があります。

その場合、当然、手前の人物はボケてしまうので、注意が必要です。「奥ピン」なんて言い方もします。そんな時は、まず、マニュアルフォーカスに切り替えてピントを合わせる作業をしてください。

言葉だと伝わりづらいと思いますので、動画を用意しました。今回は、こちらをご覧ください。

まず、ピントを合わせたい被写体に、思い切りズームインします。

人物であれば、髪の毛など、ピントの合わせやすい部分がいいですね。そこで一度、ピントを合わせます。

そうすると、そこでフォーカスは固定されますので、そこからズームアウトをして引きの映像を作っても、ピントは合ったままで撮影ができます。

(2)暗いところに注意

もうひとつ注意点は、暗いところでの撮影です。

暗いところでは、オートフォーカスの機能が弱いのか、ピントが合わせづらくなります。そのような場合も一旦マニュアルに切り替えて、ズームインしてフォーカスを合わせてから、撮影しましょう。

ズームインしても、暗くてピントが合わせづらい時には、ちょっとしたテクニックを使います。フォーカスを合わせたい被写体の横に携帯電話などを光らせて、それを目安にピントを合わせるというやり方や、懐中電灯で被写体を照らす、という方法もあります。

正確に言うと、少しフォーカスはズレるので、あくまでも緊急事態の対処法ですが、どちらにしても、ズームインしてピントを一度合わせる。そうすれば、お互いの距離感が変わらない限り、大きくピントが外れることはありません。

動画制作・撮影編【ブレ・ピン】手振れ補正とピント調整の注意点は?まとめ

失敗しない撮影の呪文の『ブレとピン』でした。

フォーカスに関する2つの注意点

手ブレ補正の注意点(三脚使用時と手持ち時の違い)
AUTOフォーカス時の注意点

フォーカスをAUTOで撮影するのはNG

三脚使用時には『手ブレ補正機能をオフ』

手持ち撮影では、手ブレ補正機能をON

でした。

撮影中は、ATUOに任せっきりにせず、状況に応じて、使い分けましょう。

今日の内容も動画で簡単にまとめました。こちらも参考にしてください。

今回も最後まで読んでいただき、ありがとうございました!

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